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家庭の薬膳

漢タロウ薬局 7月の健康コラム

薬剤師:斎藤まゆみ

〜 誤解の多い「夏バテ」〜


◆ 夏バテ今昔

 エアコンが普及していなかった昭和30年代
 夏バテとは単に猛暑による体力消耗や食欲不振を意味しました。いわゆる夏やせ・夏やつれという症状です。

 近頃の夏バテの原因は、室内と屋外の温度差です。空調のきいた部屋から、陽炎が揺らめくアスファルトの街路に出ると激しく体力を消耗してしまいます。内外の温度差は5〜6度程度までが理想といわれますが、10度以上も差があることはざらでしょう。

 夏は五臓のうち“心臓”への影響も大きくなります。皮膚からの発汗量がふえ、体液が減少し、血液が粘りをまし、血行不良となり、血圧なども上昇し、心臓や各血管などにかかる負担が重くなります。

 血液が濃くなって、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性も高まります。

 体力の消耗によって、免疫力が低下し夏風邪や食中毒、その他の感染症に掛かりやすくなる場合もありますので要注意です。


◆ 水分補給の誤解

    1. 間違った水分補給法
    2.  喉が渇いたときに、グッイと一気にジュース、ビールなどを飲むのはこたえられないものです。しかし、一気に摂取した水分は、体に吸収されにくく、胃腸が冷えて消化能力を落としてしまいます。

       冷たいジュースは甘いのでまた喉が渇きジュースを飲む・・・という悪循環を繰り返してしまった経験はありませんか。しかも、カロリー超過になり、体重が増えてしまったなんてこと。さらに、単に太るだけでなく、むくみの原因となり、体調を壊す場合もありますからご注意下さい。

    3. 正しい水分補給法
    4.  暑い時には熱いお茶。おばぁちゃんの知恵。温かい飲み物を少しずつ摂るのが体にはやさしいのです。また、食事中にあまり頻繁に水分補給すると、胃液が薄まり消化機能を妨げます。なるべく食後に飲むようにしましょう。


◆ 夏バテとスポーツ

 よく夏バテをスポーツで吹き飛ばそうと張り切っちゃう人がいますが、基本的にこの考えは正しいです。普段からスポーツをして適度に汗をかくことに慣れていると、身体自体、急激な気温の変化への免疫もつきやすく、夏バテもしにくくなります。
 つまり基礎代謝の機能を高めることが大事なのです。しかし、あなたの食習慣次第で、かえって夏バテに一役買ってしまうこともあります。

 基礎代謝が高まれば、体内の電解質の消費量も増え、その分当然不足します。不足した塩分や、必要なビタミンやミネラル類を効率よく補給しなければなりません。そのまま放置すると血液が濃縮し、血行不良となり筋肉に乳酸がたまってしまいます。その結果、疲労やだるさを感じるようになるのです。

 スポーツの後は水分だけでなく、失われたビタミンやミネラル類を積極的に摂取するようにしましょう。

ビタミン

野菜、果物など

ミネラル

海草類、玄米、スポーツドリンクなど


◆郷土料理 伝説の「だし」で夏バテを乗り切る!

 山形の夏は暑いです。あまり知られていない事実として、日本最高気温記録保持県でもあります。
(昭和8年7月25日に最高気温40.8度を記録して未だ破られず)

 特に内陸地方は盆地の地形。その蒸し暑さは筆舌に尽くせません。そんな山形に伝説の郷土料理があります。

山形だし 「だし」です!「出汁」でも「山車」でもない「だし」なんです。

 どんなんかなぁ……?って言うと、新鮮な夏野菜を小気味良くみじん切りして、魔法の醤油で合えた生ふりかけです。
 あるいは「新鮮夏野菜丼」とでも呼びましょうか。
 太陽をいっぱいに浴びて、おっきく育った山形の夏野菜たちをタップリ炊き立てのごはんにかけて頂きます。
 暑さのせいで食欲の落ちた山形人の魂を奮い立たせる一品です。

■作り方はこちらから
夏はこれっ!「山形のだし」 - [料理のABC]All About



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