漢タロウ薬局 9月の健康コラム
薬剤師:斎藤まゆみ
〜 もってのほか 〜
(菊の花は食べても効く)
●もってのほかの由来
「もってのほか」何だか変なタイトルですね。山形特産の食用菊の通称です。日本で最も尊いお家柄の家紋を食することは「もってのほか」と言うことから、そう呼ばれるようになったとか、諸説はたくさんあるようです。
正式には「延命楽」と言う品種ですが、当地、山形では、菊の花は愛でるだけの花ではありません。眼で楽しむだけなんて「もってのほか」。美しいものは、食べてみる。美しさも栄養として、心身ともに浄化しようというのが、山形人の欲張りなところ。 そうですね、よく、農家だけではなく一般の家庭の庭先などで栽培されているケースも多く、昔から季節になると手軽に酢の物や和え物にして食してきました。
普通、食用菊というと黄色い花を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。「もってのほか」はこんなイメージを見事に裏切ります。写真は近所の農家が栽培しているハウスで撮影しました。ちょっとピンボケですがご愛嬌と言うことでお許し下さい。
●食べ方を簡単にご紹介します
1.
まず、花びらをばらばらにほぐします。このとき花芯が入らないように注意してください。ここは苦味が強いからです。
2.
大きめの鍋にお湯を沸かし、適量のお酢を入れ、沸騰したところに一気に花びらを入れます。一旦お湯の温度が下がります。
3.
再び沸きだしたところで、全体を返しもう一度沸きあがるのを待ちます。ほんの30秒から1分と言ったところでしょうか。茹でると言うより湯通しすると言った方がふさわしいかもしれません。
4.
すかさず冷水にとり、さぁっと水気を切ります。
5.
かつおの出汁の効いた土佐酢などで酢洗いをして、下処理の完了です。
花びらが筒状になっていますので、茹でてもシャキシャキした独特の歯ざわりが特徴的に残ります。これが美味しさの秘密かもしれません。茹ですぎますとせっかくの香りも飛んでしまいかねませんので、ご注意願います。
●もってのほか「くるみ酢和え」
私は、もってのほかの「くるみ酢和え」が大好きです。品のある香りと、くるみ酢の甘みとこくが、なんとも言えない美味しさなんです。 写真は、茹でたシメジとあわせ、土佐酢でさっぱり和えてみました。(画像をクリックすると拡大でご覧いただけます)
詳しくはこちらから「山形のうまいもの」
●漢方処方のご紹介
また、薬用にもよく用いられています。漢方では、解熱、解毒、鎮痛、消炎、血圧降下剤として、感冒、発熱、頭痛、目まい、耳鳴りなどの諸症状の改善に処方されます。肝臓・腎臓の疲れや、眼の病(視神経委縮、中心性網膜炎)などにも用いられます。あまり強い薬効はありませんが、菊は「効く」などとも言われ(ダジャレに過ぎませんが...)、不老長寿、健康保持などに関する話が、昔からいろいろな書物に書かれていて、私などもたいへん興味を惹かれる生薬です。
それにしても、山形の食文化の水準がいかに高いものであるか、あらためて思い直しました。山形人として素直に誇りとしたいところです。
来月は「アケビ」について調べてみようと考えています。どうぞお楽しみに...
【関連記事1】
菊は薬膳などにもよく使われているようです。
・例1:
白身魚の菊花蒸し
・例2:
菊花梅茶
・例3:
菊花酒
・例4:
菊花ラーメン
【関連記事2】
簡単!花粉症対策 オススメの簡単!花粉症対策に菊の花のハーブティが効くそうです。
詳しい解説はこちらからどうぞ
また疲れ目や痒みに効くと言われる「菊花梅茶」も花粉症の目の症状にも効果があるでしょう。ミントや紫蘇をブレンドすれば免疫力もアップし、鼻水や咳などの諸症状にも効くようです。
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