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家庭の薬膳

漢タロウ薬局 8月の健康コラム

薬剤師:斎藤まゆみ

猛暑退散! 早く来い来い、すずしい秋!

危機一髪! 「かき氷の日」

皆さん、「かき氷の日」という記念日があるのをご存知ですか? 実はわたしも今日まで知らなかったのですけど、「日本かき氷協会」という団体があって、その団体が制定した記念日なのです。ではいったいいつが「かき氷の日」なのかと申しますと、ここ山形で74年前に、日本最高気温を記録した7月25日が、この名誉ある記念日だったのだそうです。
74年という歴史の中で「かき氷の日」は、日本一暑い山形の象徴と言うか誇りとすべき記念日なのでした。ところが、うかつにも私はそんな素晴らしい日のことを知らなかったのです。もちろん7月25日に、日本最高気温が記録されたことは知っていましたけれど、ちょっと恥ずかしいような気がして、でも、山形の人で、「かき氷の日」のことまでを知っていた人は、少なくともわたしの周囲にはいませんでした。
ところで、語呂合わせだとは思うのですが、7月25日(かき氷の日)のことを、「な(7)つ(2)ご(5)おり」として、「夏氷の日」と、そう呼ぶ場合もあるそうです。(日本かき氷協会)

しかし、とうとう、山形の誇りとすべき「かき氷の日」が危機を迎えるに立ち至る事態が起こってしまったのです。
今年2007年、8月16日、岐阜、多治見と、埼玉、熊谷で40.9度という気温が記録され、74年ぶりに日本最高気温が更新されました。
また、気象庁の話によりますと、各地の測候所で40度を超えたのは、15日〜17日までの三日間連続。こんなことはまったく初めてと、ハンカチで汗を拭き吹き気象庁の担当者が記者会見をしていました。
まず、群馬県館林市で15日に40.2度を記録して以来、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で16日に40.9度を観測。17日も岐阜県多治見市で40.8度を記録したと言うではありませんか。そんな話を聞いただけで、もうビックリして、グッタリして、バッタリ倒れてしまいそうになってしまいます。
同じ観測地点で二日続けて40度を超すのは極めて異例。全国において、三日も連続して40度を超えたのも初めてと言うことは、やはり異常なことといえるのかもしれません。
この間、日本国内で18名の方が、熱中症と思われる症状で亡くなられたそうです。痛ましい限りで、お慰めする言葉も見つかりません。だた、合掌0(/ \)0

さて話は、「かき氷の日」のことに戻ります。ある奇特な方が「日本かき氷協会」の方に、来年から「かき氷の日」は、8月16日に変更になるかどうか問い合わせされたそうです。協会では、その可能性は充分あるかもしれないと応えたそうです。これは、山形人にとっては大ショックです。どうしましょう……
そうだこうしてみてはどうでしょう…
7月25日は「夏氷の日」 8月16日を「かき氷の日」と別な記念日として、なんとか7月25日も、74年の歴史に敬意を払っていただいて、存続をお願いできないものかと、切に切に思うしだいです。日本かき氷協会の方、心から宜しくお願い申し上げます。

目に見えないこと

それにいたしましても、梅雨明け以来、記録的な猛暑が続いています。沖縄より北海道の方が、気温が高い。北極海の氷の面積が観測史上一番狭くなった。日本海の海水温が平均1.6度上昇。大型台風がいくつも上陸。これは、目に見えている被害だけでなく、人が予想もできないような見えないところでも、さまざまに被害が拡大しているかもしれません。

天地鳴動

現に、今年に入って、大きな地震も続いています。能登半島沖では3月、中越沖が7月でした。ライフラインはだいぶ回復してきているようですが、住宅の被害は、個人で対応しなければならないので、なかなか難しいそうです。特に中越地方は3年前にも大きな地震があったばかり。二重、三重の債務を個人でかかえるのは無理。しかも、高齢者世帯の場合は生活自体を立て直して行くことが困難を極めているとか。
人間の、いいえ、自分自身の力ではどうにもならない大きなモノの力が、確かにあります。それは、自分の身体でも同じではないでしょうか。
科学技術が進めば、人は自分を過信して油断を生じさせます。健康情報があふれている昨今、情報に惑わされ本当の健康と言うことを見失ってしまう恐れがあるかもしれません。
ダイエットしかり。メタボリックシンドロームしかり。言葉だけが独り歩きしている観がいなめません。実際のところ、情報を出す側に立っている私どもも、よくよく気をつけてまいりたいと思っています。

食べ物の安全性

このところ、食べ物の安全性が問われる事件も続いています。
6月、牛ミンチの偽装問題で、北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープが約24年前から商品を偽装していたことが報じられました。しかも、牛ミンチだけでなく牛スライスや豚ひき肉、牛脂にも表示外の肉を混ぜるなどしていたことが25日、農林水産省の立ち入り検査結果で分かったそうです。同省は田中稔社長(68)ら幹部が不正と認識しながら指示していたことを確認。さらに、日常的な賞味期限の改ざんや産地偽装なども相次いで発覚しました。

白い恋人の黒い影

また、8月17日、北海道の御土産として超有名な「白い恋人」が、11年前から賞味期限を改ざんしていたことが明らかになりました。加えて、大腸菌や黄色ブドウ球菌も基準値を超えていたことが判明。
それを知らずに食べさせられていた、一般消費者には、いまのところ健康被害は確認されていないということです。でも、これもとても信じられないことです。製造元の石屋製菓は「白い恋人」を含む全部商品を店頭などから回収し、当初16日から4日間としていた自主休業を「安全が確認できるまで」延長すると発表しました。

記憶をたどれば

7年前、そう、2000年の6〜7月に、近畿地方で、雪印乳業の乳製品による集団食中毒が発生しましたよね(雪印集団食中毒事件)。そもそもの原因は北海道にある雪印乳業の工場で製造された低脂肪乳の主原料だった脱脂粉乳製造時の停電事故によって、毒素(エンテロトキシン)の発生したことにありました。原因は一つだけにとどまりません。大阪工場の衛生管理体制の不備や品質管理上の問題も浮き彫りにされました。
その2年後、追い討ちをかけるように、雪印食品の子会社による、牛肉偽装事件が発生しています。国がBSE対策として、疑いのある肉を買い上げる制度を悪用し、補助金を騙し取ったと言う事件でした。

もちろん、こういった問題を起こした企業は他にもたくさんあります。しかし、雪印食品から発生した問題は、単に食品メーカー1社の不祥事ではなく、日本のあらゆる業界に内在する不正隠匿体質を物語るものではないかと言わざるを得ません。その体質は、このように偽装事件が続いていることから判断して、いまだに改善されていないように思われます。

情報の出し方、受け止め方(信頼性について)

これまで、この漢タロウ薬局「健康コラム」でも、いろいろ書いてきましたが、一連の事件を見ていて、つくづく感じるところがあります。情報化社会といわれて久しいですが、こうして、小さい地方の町の薬局でも、ホームページを持ち、情報発信できることは、とても嬉しいことではあるのですが、逆に、その責任の重さも比例しているのだなと言うことです。
新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット、いろんな形で、いろいろな情報が溢れています。でも、その情報の信頼性は、ある程度、初めから信じきることができない状況もあります。一つの情報に対して、いろんな角度から見る目を持つことも大事なのですね。
こんな気持ちを大切にしながら、これからも情報発信を続けてまいりたいと思います。
今後とも宜しくお願いいたします。

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