漢タロウ薬局 3月の健康コラム
薬剤師:斎藤まゆみ
健康と幸せはお母さんの味から
こんなに食べ物が豊かになった日本ですが、江戸時代から明治・大正・昭和とたびたび飢饉がありました。記憶に新しいところでは、1993年の冷害による凶作があり、お米を大量に外国から輸入したと言う事例がありました。この時わが国では餓死の心配はありませんでしたが、世界中では、今でも飢えに苦しみ、餓死の恐怖におののいている人々も沢山いると聞いています。日本では一見して、もはや飢えの心配は無いように思われていますが、果たして本当に大丈夫なのでしょうか? 食糧自給率の低さは、先進国の中では一番です。外国の食糧をあてにして、今の豊かさがあるんですね。
飢饉のことを飢渇(ケガチ)とも言います。飢えと渇きは、人だけでなく生物全般の存亡の問題です。人が人として生きてきた歴史は、飢えと渇きをしのぐために知恵を絞り出すことから始まりました。食物と水をいかに確保できるかが、生存のための担保だったわけです。
獣を狩り、魚を漁り、木の実をもぎ、山菜を採取する原始時代がながくつづきました。自然とじかに向き合い、折り合いをつけて、食べる分だけの恵みを受ける。そのころの人々の心には、自然と神は等しい存在として、そのささやかな恵みに対して、心から敬い感謝をささげてきたのでしょうね。
やがて、稲作が始まり農耕が定着しました。私たちのご先祖様は自給自足が原則だったと言います。自分の食べ物は自分たちで作っていました。これも、今の私たちからはちょっと羨ましく思えたりします。自分の食べ物を自分で作ると言うことは、私には自分の健康を作ることと同じ意味ではないかと感じられます。
今は、調理すらも他人任せ、コンビニやお惣菜屋さんから手軽に買ってきて、それで食事を済ませてしまうと言うご家庭も増えているように思います。皆さんも忙しくって、自分で食べる物を調理することが困難な状況があったりします。私自身も皆さんと同じです。
|
山形の「おみ漬け」 |
でも、子供のころお母さんが作ってくれた山菜の煮物とか、卯の花、ひじきの煮物、お漬物の味をときどき思い出して、無性に食べたくなって作ってみたりするのですが、あのお母さんの味には程遠くて、少し寂しくなったりしてしまいます。そうなんですね、今の私の健康と幸せは、あのお母さんの手料理が下敷きになっているのだなと痛感します。
このことは絶対忘れたくは無いことです。健康と幸せは、こんなところから始まっていくのではないかと思います。
さて、今月の健康コラムは、昨年開催いたしました、「第一回 漢タロウ薬局 健康の集い」にご参加いただきました、園部和子さんの感想を掲載させていただきます。さらにもう一点、昨年暮れ、日本薬用植物友の会山形支部主催で、「家庭の薬膳教室」の講師を申し付かり参加してきました。その報告もあわせて掲載いたします。良かったらちょっとのぞいて見てください。詳しくはこちらから>>>
▲上へ戻ります
“健康の集い第1回"に参加して
園部和子さん
私と漢クロウ薬局さんとのお付き合いは、もう10年以上となります。この薬局は決して広い空間ではないのに、様々な苦痛や体の悩み事を抱えた人は勿論、近くを適った方が喫茶店替わりに薬草茶を御馳走になる人など、いつ行っても店内は入れ替わり、立ち代わり来店者がおります。斎藤さんと笹原さんは、これらの人々の話を真剣に聴き丁寧に対応されていることが、来店者の心を捕らえているのではないのかと常々感心しているところです。
過日、斎藤さんから「健康の集い開催するから参加しませんか」と誘われ、この集いの内容は私が前々から興味を持っていたことなので参加することとしました。
「健康の集い」は、蔵王温泉のホテル松金屋アネックスで開催されました。当日まず、最初に自称Dr.Kと称する山崎先生が紹介され、同先生から楽しいお話と検査、加えて恐ろしい脳トレーニング等を実施していただきました。先生の話から、昨今の日本の医療費等の値上がりにより、日本も米国のように高額な医療費に生活を脅かされることが現実になりそうです。また、癌も近い将来、3人に1人といった状態を迎えることとなるそうですので、免疫力(NK細胞)を強くし、元気な明日を迎えれる喜びを感じれる日々が続くように努力したいと思いました。
その後、楽しみにしていた暖かい食事により心が癒され、また露天風呂もある奇麗な温泉に、どっぷりと浸かって体を癒すことができました。これもホテルの皆様方の心のこもったおもてなしで、感謝の心でいっぱいです。
最後に、今回の「健康の集い」にお誘いいただいたことにお礼申し上げます。また、大変でしょうが、次回開催を期待してしまうのは私だけではないと思います。次回の時には今回より、元気でいたいものです。
なお・高齢化してくる昨今、私達が'ピンビンコロリ'と逝けるためのアドバイスや、サポート等をして下さるよう斎藤さん、笹原さん、宣しくお願いします。
▲上へ戻ります
|